介護+αの日々

進行性核上性麻痺と診断された母の介護日記+日々のこと。

旅を語る

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8月です。

母の誕生日は、いよいよ明日です。

 

今週も始まりました。

13時から、言語のレッスン。

この暑さにも関わらず、色白な先生は涼しげな様子でやって来られます。

エアコンの効いた部屋で寝ている母。

まずはバイタルチェックをされ、口の体操からスタートしました。

 

リハビリのひとつに、話しをする時間があります。

きょうの先生の質問は、

「今、行きたいところはどこですか」でした。

それに対して、母は、「ほっかいどう」と答えました。

 

夏生まれではあるけれど、暑さが苦手な母らしい答え。

母は冬には行ったことがあるという話になり、摩周湖が凍っていたこと

網走で流氷を見たことを、話しました。

 

「他に、どんなところへ行きましたか?」

という先生のつぎの質問に、母は、

「東南アジア」と答えました。

 

10年くらい前、父と母と私とで、カンボジアに遺跡を見に行きました。

暑かったことのほか、ガイドに高額の料金を吹っかけられたことを話しながら

(父がぼられたと言い、母は高かったけどまあ許容範囲かと思ったと)、

私がつい、勢いで母のエピソードをひとつ、暴露しました。

 

安宿に泊まったのですが、お風呂のシャワーが、水しか出なくて、

お風呂途中の母が、ずぶぬれのまま、素っ裸にタオル一枚まとって、

風呂から出てきて、「お湯が出ない」と私に訴えました。

「ごめん、ここ安いけん、お湯でらんとよ」と私が答えると、

「そうね」と母は、濡れた髪のまま、すごすごと浴室に帰って行きました。

 

笑い話だと思ったけど、こうして文字にすると、けっこうかわいそうな母。

それを聞いた言語の先生も、

「お湯が出ると思いますよねー」と、母に同調してくれます。

 

今はもう、思い出話ですが。

元気なときに行っていてよかったなと思う、旅の話でした。