月曜と木曜の夕方は、訪問入浴の予定。
母の部屋にバスタブを運び入れ、沸かしたお湯をポンプでくみ上げ
母を湯船に浸からせてくれます。
きょうは、祝日だったけれど、スタッフの皆さんは、いつも通り
やってきてくれました。
部屋をきょろきょろして母は、「お父さんは?」と聞きます。
「お父さんはテレビの部屋におるよ。
お風呂の介助をするここでは、役に立たんけん」と伝えると、
母は、「んふふっ」と、鼻から息を出して、小さく笑います。
父のことを「役に立たん」と言ったのが、ヒットしたよう。
表情筋も動かしにくくなってきている母が、
この「んふふっ」と笑うときは、顔全体が一瞬ゆるみます。
それを初めて見たお風呂のスタッフの皆さんは、
「こんなふうに笑われるんですね」と、驚かれていました。
「そうなんです。父に対してマウントをとるときは、必ずこんな
ドヤ顔になり笑います」。
同じ年で、共働きで、なんでも対等に言い合っていた父と母。
子どもながら、母はすごいんだな、と思いました。
昭和の時代だったけれど、少なくともうちでは、だれかさんみたいな、
男女差別的な空気はありませんでした。
恐らく、祖母も母もきちんと収入があり、主婦もこなしていたからだと。
父も祖父も、まず感謝の気持ちがあったのだと思います 。