母への栄養注入は、朝が父、夕方が私の担当です。
私が母に栄養を注入している2時間は、父は買い物に行ったり、
テレビを見たり、1人で好きに過ごしています。
そんな夕方の注入時間、母のベッドのそばに座り私が注入の世話をしていると、
「お父さんを呼んできて」
と、母はちょくちょく言います。
きょうも呼んでと言ったので、私が、
「何の用事か教えて。お父さんに伝えとくよ」
と言うと、母は、
「伝言できん用事」
と、きっぱり。
しかたないので、高校野球を見ていた父にそう伝えると、苦笑いしながら、
「伝言じゃだめとね」と言いつつ、母の元へ。
母のそばで、
「何やったと?」と父が聞くと、母は、
「忘れた。思い出せん」・・・
こんな日の母は、実は調子がいいんです。
この日の昼間は、母は、リハビリを頑張りました。
リハビリの先生に、
「きのう、言語の先生に、母は『山に登りたい』と言ったんですよ」
と笑いながら伝えると、先生は、
「そうですか。○○子さんが、それをお望みなら、私はそれがかなうような
リハビリメニューを考えますよ」。
私もたぶん母も、え?そこまででなくても・・と正直思いました。
でもそんなことが、元気を取り戻すきっかけになりそうな気がします。
未来はわからない・・・