昔から、文を書くことが好きだった母。
私や弟が生まれたとき、育児日記を書いてくれていました。
数年前、母が20歳の時につとめた山の分校の話を
数十ページにまとめ、自費で小冊子にしました。
70代のころに振り返って書いたものですが、
そこには、若い頃の母が体験した、山の四季の暮らしが
鮮やかに描かれていました。
病院からホームに移ったとき、母は、
「何かノートを買ってきて」と言い、
B6のノートをコンビニから買ってきました。
「日記を書くけん、書き留めて」と言います。
そういわれて、最初に書いたのは、ホームの部屋の窓から見える景色を、
描写する文章。
長くはなく、ほんの5〜6行だけど、けっこう詩的な文章で、
それを読んだ父が触発され、母に対抗して、翌日、
似たような雰囲気の文章を、そのあとに続けて書いていたのには、
笑ってしまいました。
きょう、書いたのも、ほんの6行くらいだけど、
でもそこには、私の知らない母の姿が。
部屋にちょうど、子どもの遊ぶ声が聞こえていて、
『・・・子どもの声を聞くと、いろんなことを思い出す。
一番思い出に残っているのは、初めて6年生を担任し、送り出した卒業式。
感動で、声が出なかったこと。・・・』
小学校の教員をしていた母。若い頃に、そんなことが・・・。
60年近く経つ今も、思い出すとは。
そんな感じで、母の”ときどき日記”は、とても興味深いです。