部屋に看護師さんが入ってこられると、
少し緊張する母。
「こんにちは」と言われても、あいさつを返さない時があります。
というのは、声を出すと、ごろごろしているのがばれるから。
あの、苦しい痰吸引を、なんとか避けたい一心なのです。
きょうも、看護師さんが部屋に来られたとき、
ごろごろ、痰がたまっている状況で、
「こんにちはー」という看護師さんに母は、反応できず
目だけきょろきょろさせていました。
「お変わりないですか?」
「はい。」かろうじて、短めな返答。
わたしはたまりかねて(おかしくて)「のどは?ごろごろ大丈夫?」と聞くけれど、
母は無言でした。
看護師さんは、もちろん、母のごろごろ疑惑、察知されています。
「酸素濃度を計ると、痰の様子が分かるんですよ〜」と看護師さんは、
母の手の指先に酸素チェック計を付け、計測されました。
93%です。(健康ならば、だいたい96〜98%ぐらい)
「少し吸引しましょーか」と言われ、
口から、そしてそのあと鼻の穴から、チューブを入れ、
痰を吸引してくださいました。
すると、指先の酸素チェック計は、95%になり、一時は98%に!
「のどの痰がなくなると、気道がきちんと開き、取込んだ酸素が体に
行き渡るんで、酸素濃度があがるんですよね」。
はい!看護師さんに一本!
母のごろごろかくし作戦は、酸素濃度チェックで、暴かれるのでした・・・。