秋晴れの日曜日。
外ランチのあと、母のホームへ。
食堂の窓から駐車場を見ていた母は、割とシャキッとした顔をしていました。
お散歩に誘いましたが、「きょうはいかん」とお返事もきっぱり。
午後を部屋で何もせずに過ごしていて、退屈なので母に、
「ひまやない?」と聞くと、
「ひまな時間も大事」と答えました。
なかなか、ちゃんとしたことを言います。
夕方、つばが増えてきて、母が嫌うスポンジブラシを使って、口のつばを
ふきとりました。
すると、スポンジの先にうっすら血の色がつきました。
「お母さん、口の中、血がでようと?いつも?」と聞くと、
「ときどき」と答えます。
「週に一回くらい?」
「いや、もっと」
「じゃ、毎日くらい?」
「わからん」と、お得意のごまかし返事。
ちっとも「ときどき」じゃないじゃん!
「いつぐらいから?」と聞くと、
「ずっと前からやから、大丈夫よ」
「ここに来てから?」
「来る前から」と母。
えー!じゃあ、一年近く前からじゃない・・・。
そんなにずっと、口の中に、血が出ていたとは。
不快だったはずだろうに。
まあ、しかしなんにしろ、会話のキャッチボールが、最近にしては、
長く続きました。
それがうれしい。
そんな秋の日曜日でした。